第2話 資金計画編

【Aさん夫婦】
結婚3年目のA夫婦。夫は29歳、妻は27歳。世帯年収は700万円程度で、現在は1LDK・家賃8万円の賃貸アパートに居住している。
第一話「リフォーム・リノベーション編」では、リノベーションとリフォームについてご紹介しました。Aさん夫婦は中古物件を購入して、リフォームやリノベーションを施してから居住することを前提に、物件購入にあたっての資金計画について本格的に考え始めたようです。そこで今回は、世帯年収、購入予算、頭金、援助金など、住まいを購入するにあたって知っておきたい資金計画のポイントについて考えてみましょう。
Q.予算、購入した住宅の価格、頭金、親からの援助金、世帯年収を教えてください(フリーアンサー)
アットホーム(株)の調査によれば、物件購入時の平均予算は3,395万円、平均購入価格は3,521万円となりました。中古物件に限って見てみると、中古マンションの平均予算は3,146万円、平均購入価格は3,100万円、中古戸建の平均予算は2,839万円、平均購入価格は2,922万円となり、購入価格と予算がほぼ同じ、もしくは予算が下回る結果となりました。新築物件の購入者に比べると、中古物件の購入者は予算に応じた物件を購入したことがわかります。
下段は、物件種目ごとの頭金、援助金、世帯年収の平均金額のアンケート結果です。資金計画をたてる際の参考にしてみてください。
資金計画の考え方
A総予算=B自己資金+C借入金
A総予算・・・物件価格・リノベーション工事費用・諸費用
B自己資金・・・現金・定期預金・株・投資信託など、現在の資産
C借入金・・・年収・金利・返済期間などから月々の借入可能額を算出
①自己資金の考え方
現金、定期預金、株、投資信託など、現在所有している資産をすべて洗い出し、住宅購入資金にいくら回せるかを考えましょう。頭金0円、フルローンで購入することも可能ですが、その分月々の返済額が多くなります。また、住宅取得には諸費用なども含めた予想外の出費がつきものですので、できるだけ多く頭金を準備しておくといいでしょう。
②借入金の考え方
A現在の居住費/年+B住宅用資金にまわせる金額/年-C住宅の維持費=ローン返済可能額
A現在の居住費・・・現在支払っている家賃、駐車場代などの合計
B住宅用資金にまわせる金額・・・毎月の貯蓄から住宅用資金にまわせる金額のうち、将来子どもが生まれた場合の教育費、老後資金の貯蓄などを除いた金額。高く見積もり過ぎると先々の家計が苦しくなる可能性がある
C住宅の維持費・・・固定資産税や、マンションであれば管理費・修繕積立金など